居場所づくり話題に 松川町「こどもカフェHug」

社会

[ 2017年 8月 14日 月曜日 14時29分 ]

中学生との会話を楽しむ市岡さん(左)

 松川町元大島のあらい商店街にある多目的スペース「ぺっかん」を会場に展開する「こどもカフェHug(はぐ)」が子どもの居場所づくりとして話題になり、多世代の交流の場にもなっている。地域の食材を使った食事を週に2度提供。運営するNPO法人Hugの市岡阿依理事長(31)は「地域との関わりの中で子どもの可能性が広がり、選択肢も増やせたら」とした。

 人との関わりが限られ、不登校や複雑な家庭環境といった社会変化を背景に、市岡さんは「子どもたちが自分らしくいられる場」として4月にオープンした。

 地域の全ての子どもや親、地域の大人など対象を限定しない。貧困家庭や孤食の子どもに食事を提供し、安心して過ごせる場所として「子ども食堂」が各地で広まっているが、ここでは食堂という形を取らず、子どもが放課後に自宅以外で過ごす居場所の中で食事を出す。

 開店は木曜と土曜の週2日。木曜は午後6時~9時、隔週の土曜は午前11時~午後3時まで。主婦ら5人がスタッフとして調理や配膳、学習支援に当たる。

 木曜は数種類の惣菜が楽しめるメニューで、土曜はカレーライス。スタッフがそれぞれ自宅で調理したものを持ち込み、温め直して提供する。

 夏日となったこの日、開店を待ちわびるように親子連れらが来店し、1時間ほどで満席となった。ナスやカボチャなど町産の旬の食材がふんだんに入った料理が配膳され、母親と訪れた松川中学校2年の生徒(14)は「具だくさんでどれもおいしい。来やすい雰囲気がいい」とうれしそうに話した。

 食事以外で利用する人も多く、同中3年の生徒(同)は「友だちとのおしゃべりを楽しんでいます」。乳幼児を持つ母親にとっては一息つける場になり、子育ての悩みを共有したりもする。

 取り組みは口コミで広がり、食材も寄せられるようになった。野菜や米など必要な食材の7割ほどが地域住民による寄付によって賄われる。野菜を持参してくれる近所の人もいる。

 市岡さんは松川町元大島出身。飯田高校から富山大教育学部に進み、卒業後は富山県内の通信制高校で4年間教諭を務めた。その後Uターンし、中央小学校の教育支援員に就き、現在は町の地域コーディネーターとして教育現場で活動する。開店後にNPO法人を設立した。

 開店から4カ月が経ち、多い日で30人近く来店するようになった。その一方、ぺっかんには調理設備がそろってなく、また手狭に。相談や学習支援を手厚くしたいといった思いもあり、より広いスペースを確保できる場所に移ることも考える。市岡さんは「気軽に食卓を囲むことで、地域の人が安心できる場でありたい」と前を見た。

  

関連の注目記事

powered by weblio


  
        


南信州新聞公式アカウント
@minamishinshu







2018年元旦号企画
webで電子版「南信州」を購読

南信州オンラインブックストア
新刊情報



平成二十六年丙申歳 飯田お練りまつり
著:飯田お練りまつり奉賛会編
 出版社:南信州新聞社出版局

連載記事
南信州飯田観光ガイド2016秋・冬号