山下夏君元気に帰郷、「優しさ一生忘れない」母親ら会見

社会

[ 2009年 10月 26日 月曜日 15時52分 ]

 重い心臓病の拘束型心筋症を患い、5月に米国で心臓移植手術を受けた飯田市の小学2年生、山下夏君(7)が21日に飯田市へ帰郷し、24日に母親の佳織さん(35)らが記者会見を開いた。夏君は新型インフルエンザなどの感染症予防のため参加できなかったが、佳織さんは「体は元気。精神的には120%ぐらい元気」と順調な回復ぶりを伝えた。

 夏君は2006年5月に急性心筋炎で県立こども病院(安曇野市)に入院、東京女子医科大学東医療センター(東京都荒川区)での入院治療を経て、ことし2月に渡米。5月にカリフォルニア州のUCLAメディカルセンターで心臓移植手術を受け、8月に帰国、10月21日に飯田へ帰省した。

 佳織さんは「夏が普通の暮らしをできるように、時間をかけてゆっくりと前に進んでいこうと思っている。皆さまの『優しさ』を忘れることは一生ありません」と感謝。「飯田の皆さん、長野県の皆さんに元気になった夏の姿を見せることができたことが一番うれしかった」と語り、「夏も病気を治すという目標をやり遂げて、達成感があるのでは。飯田に戻ってきたことでさらに考え方や顔つきがしっかりしてきたように感じる」とほほ笑んだ。

 現在は喬木村の佳織さんの実家で生活し、午前はドリルを使って算数や国語を勉強したり、午後はリハビリと気分転換を兼ねて散歩や絵を描いたりしているという。しばらくは定期的に都内の病院へ通い、検査や投薬治療を受ける。感染症にかかりやすいため人ごみに出られないなどの制約はあるが、祖父の俊介さん(65)は「歩き回ってぴょんぴょん飛び回っている。大丈夫か、っていう感じ」と笑顔で夏君の様子を語った。

 また、国内でも子どもの臓器移植が可能になる改正臓器移植法について、佳織さんは「私側の立場とすると、命を救える年齢制限がなくなったのはとてもいいことだと思うが、相手側の立場もあるので、すべてが良かったの一言では言い表せない」とし、「夏の健康管理をして、移植した患者の生存率を伸ばすことが私ができる一番のこと。夏のためだけでなくて、これから日本で心臓移植手術される方たちに大人になっても普通の生活ができるんだ、っていう希望みたいな存在になれれば」と願った。

 手術費用は昨年10月から「なつくんを救う会」(佐藤吉徳代表)が募金活動を行い、県内外から2億円を超える寄付が集まった。佐藤代表(34)は「(費用は)足りている。全国で活動している方がいるので、できるだけ早い段階で支援してあげられたら」と寄付の意向を示し、今後ホームページで会計報告を行うとした。

  

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