先月29日の降ひょうによる農作物への深刻な被害の現状把握のため、松川町、JAみなみ信州松川支所、県などは3日、町内の果樹園などを訪れて被害状況を確認した。
町産業観光課によると、町では29日午後1時すぎにひょうが降り、上片桐の全域と大島の一部で被害が出た。被害面積は約134ヘクタール。被害額は29日現在で9700万円。
現地調査は、町やJA職員ら計15人が5つのグループに分かれ、被害の大きいナシやリンゴを中心に調べた。果実に付いたきずの程度や出荷ができそうか見た。実が陥没したり割れるといった被害も見られ、町職員は「出荷できたとしても規格外になってしまうのでは」と語った。
主にナシやリンゴを栽培する上片桐の男性方でも被害を受け、男性は「ナシは全滅に近い」。大規模な降ひょう被害は1981(昭和56)年の6月以来といい「こんなに大きな被害が出るとは」と肩を落としていた。
町は今回の調査を踏まえ、あらためて被害額を出して県に報告する予定。深津徹町長は「町として何らかの形で支援できるよう検討したい」と話した。