満蒙開拓歴史展開幕、29日まで語り部やリレー講義

社会

[ 2010年 8月 24日 火曜日 15時05分 ]

満蒙開拓展始まる 満蒙開拓の史実を直視し、後世に語り継ごうという企画「満蒙開拓歴史展」が21日、阿智村中央公民館=駒場=を主会場に開幕した。同村駒場に満蒙開拓平和記念館の建設を計画している準備会(会長・河原進飯田日中友好協会会長)が主催。「歴史を風化させない」を合言葉に29日まで展示と体験発表の語り部、専門家たちによるリレー講義を行う。

 

 戦後65周年の節目として、「今伝えなければならない歴史」をテーマに初開催。初日は村中央公民館で開会セレモニーと基調講演を開き、準備会が「二度と戦争を繰り返さないために、今こそ伝えなければならない歴史がある。記念館事業は、戦争の歴史を語り継ぐ担い手として、平和な社会づくりに貢献する」とする緊急提言を発表した。

 

 セレモニーで河原会長は「全国で最も多くの満蒙開拓団を送出した地域として、史実を通じて戦争の悲惨さ、平和の尊さを語り継がなければならない」と訴え、同展を通じて満蒙開拓の歴史を学び、記念館建設事業への理解を深めてほしいと呼び掛けた。

 

 また、阿智村の岡庭一雄村長は「満蒙開拓は人間がつくった国家的犯罪だ」と指摘。「再び繰り返さぬようにするには歴史に学ぶ以外に手立てはない。後世に残すことが、今生きているものができる誓いだ」と訴えた。

 

 ウェルカムスピーチでは、帰国者3世で阿智高校1年の吉越美月さんが自身の体験談を報告。言葉や文化の壁に苦悩した日々、周囲や友人の助けで自分の生活を取り戻すまでの経過を伝え、「日本と中国の架け橋になり、世界の平和に貢献したい」と夢を語った。

 

 歴史展は29日まで。展示では▽満州国建国まで▽27万人農業移民の送出▽敗戦と逃避行▽戦後の苦難―の4期間をパネルで紹介。同館や村コミュニティ館(駒場)では、満蒙開拓語り部の会による語り部を開き、残留婦人や青少年義勇軍、集団移民分村移民の経験者たちから体験談を聞く。

 

 28日にはリレー講義を行い、さまざまな分野の専門家たちが、満州移民の実態や時代的背景について解説する。

 

 歴史展のいずれの企画も入場無料。今後の日程は次の通り(カッコ内は時間と会場)。

 

 【語り部】▽分村移民が語る満蒙開拓(24日午後1時から、公民館)▽青少年義勇軍が語る満蒙開拓・自由移民団が語る満蒙開拓団(25日午後1時から、コミュニティ館)▽商業者帰農移民が語る満蒙開拓・敗戦間際の開拓移民が語る満蒙開拓(26日午後1時から、コミュニティ館)▽集団自決をした満蒙開拓団を語る(27日午後1時から、公民館3階)

 

 【リレー講義】(28日午前9時半―午後3時40分まで順次)▽なぜ長野県・県民は満蒙開拓移民を数多く送り出したのか(講師=上條宏之・長野県短期大学学長)▽平和と地方自治(岡庭一雄・阿智村長)▽歴史の検証(手塚孝典・信越放送制作部)▽今、伝えなければならない歴史(寺沢秀文・満蒙開拓平和記念館事業準備会事務局長)。
 同展や記念館建設の寄付に関する問い合わせは同準備会阿智事務所(電話0265―43―5580)へ。事業準備会のホームページはURL=http://www.manmoukaitaku.com

 

 

 

 

  

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