豊丘村地域公共交通会議(会長・吉川達郎村長)は10日夜、村役場で会合を開き、村営バスの4路線について来年度も継続して実証運行することを決めた。利用者数などのデータ分析を専門家に依頼する計画で、吉川会長は「専門家の提言を踏まえ村に適した公共交通を構築し、来年4月の本格実施を目指したい」としている。
同地域公共交通会議は村長ほか区長、関係事業所ら20人で構成。うち14人が出席した。
2010(平成22)年度事業計画によると、堀越、佐原、壬生沢福島、滝川阿島北の4路線について引き続き実証運行する。また、新たな試みとして複数の専門家にデータ分析を依頼する。専門家からの提言と住民の意見、要望をもとに「豊丘村に最も適した公共交通対策の構築を目指す」という考えで一致した。
ただ複数の委員からは、車を運転できない高齢者や障がい者ら交通弱者を対象に、利用者の要求(デマンド)に応じて乗降できる「デマンドバス」を取り入れるべきといった声もあり、来年度の検討課題に加えた。村では73歳以上の高齢者を対象に有料福祉タクシーを運行しており、デマンドバスとの併用も含め検討していく。
村などによると、デマンドバスは、赤字続きの路線バスを大幅縮小する代わりの措置として取り入れている自治体もある。無料で自宅から病院やスーパーでの買い物など目的地まで送迎する―といった例を示した。
今年度の実績を踏まえ、各路線の夜便を「利用度が低い」などとし休止を決めた。利用者の要望を受け、佐原線のルートの一部を変更したほか、JR飯田線との接続をスムーズにできるよう堀越、佐原、壬生沢福島線の昼便のダイヤを見直した。いずれも4月1日から変更する。