阿智村の渋谷さんが地域づくり総務大臣表彰

社会

[ 2010年 1月 7日 木曜日 8時53分 ]

 総務省は5日、本年度「地域づくり総務大臣表彰」を受ける個人と団体、地方自治体を発表した。県内からは阿智村智里園原をハナモモ名所に育てた同村智里西の旅館業・渋谷秀逸(しゅういつ)さん(73)が唯一選ばれた。表彰式は12日に東京で行われる。

 地域づくり総務大臣表彰は、全国各地で地域のために努力する団体や個人の情熱や思いを高めようと毎年実施しており、個人で表彰されるのは全国で3人。

 中央道恵那山トンネルと園原ICの工事で出た土砂がうずたかく積まれた景観をなげいた渋谷さんは「よそから嫁いだ女性や若者が誇れる地域にしたい」という思いから、旧清内路村で美しさに感銘を受けたハナモモを1991年から植樹。個人で約1000本、03年と04年には村と地域の協力を得て2500本を植え、一帯のハナモモは約4000本にまで増えた。

 “桃源郷”と呼ばれるようになった周辺は春の観光名所となり、地域と村の協力を得て開催する花桃まつりも恒例化。開花時期がゴールデンウイークと重なったおととしは約20万人が訪れた。

 総務省は渋谷さんの取り組みについて「昔話の『はなさかじいさん』を彷彿とさせる事業。私財を投じた個人の地道な取り組みが住民の共感を呼び、行政をも巻き込み、地域活動へと発展した功績は大きい。地域の知名度アップや観光促進への寄与だけでなく、住民が地域を誇りに思うようになった」などと評価した。

 受賞の知らせを受けた渋谷さんは「どうしてもやりたくて、ただ一生懸命やってきた。集落の若い人たちには『花のない地域など誰も振り向いてくれない』『みんなで里づくりをしよう』と言ってきたが、花が咲くときれいなので地域ぐるみで取り組んでくれるようになった。(受賞は)個人では気が引ける」と話している。

  

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