集中豪雨で南部などで崩落被害、一時1009世帯が孤立状態に

社会

[ 2010年 7月 16日 金曜日 15時05分 ]

 梅雨前線に伴う14日の大雨の影響で、飯田下伊那地域は南部を中心に土砂崩落などの被害が発生した。道路の通行止めにより、飯田市南信濃と上村、天龍村の1009世帯2229人が一時孤立したが、復旧に伴い解消されつつある。下伊那地方事務所や同市などによると、人的被害はない。15日は県警や国交省のヘリが出動し、崩落現場や河川の状況などを上空から調査した。

 13日午前0時から14日午後9時までの累積雨量は南信濃で238ミリ、天龍村平岡で225ミリを観測。時間最大雨量は14日午後5時に南信濃で36・5ミリ、平岡で55・0ミリを記録した。南信濃では24時間の雨量が7月としては観測史上最多となった。

 同市は14日午後4時45分に災害対策本部を、同村は同5時に災害警戒本部を設置。県も同8時15分に大雨対策連絡本部を設け、同時に飯伊の県現地機関が下伊那地方部を立ち上げた。

 住宅被害は、少なくとも一部損壊が南信濃と同村で1棟ずつ、床下浸水が上村と南信濃で計4棟あった。同市上郷黒田では14日夕にアパート脇で地割れが発生し、避難指示を受けた4世帯16人が近くの施設などへ身を寄せた。

 15日午前7時40分現在、上村の129世帯304人、南信濃の16世帯20人、天龍村の3地区30世帯70人の計175世帯394人の孤立状態が続いている。14日は南信濃を訪れていたバスツアーなどの観光客計27人が足止めを受け、地区内の宿泊施設で一夜を明かした。

 大雨の影響で、土砂崩落・流出が国道152号などで相次いだ。飯田建設事務所によると、15日午前6時現在で道路災害20カ所、河川災害1カ所、土砂災害3カ所を確認。事前規制を含め、多くの区間が全面通行止めとなった。

 このうち、大鹿村の国道152号女高沢―手開沢橋では、のり面約100立方メートルが崩落。のり面上部が不安定な状態にあり、復旧には時間がかかる見通し。南信濃木沢などでも大量の沢の土砂が流出し、通行止めが続いている。

 停電は天龍村の4地区97世帯で発生。水道施設関連は、上村上中郷浄水場の濁度が上昇したため14日夜から断水し、住民32人に影響が出た。

 JR飯田線は雨量規制に伴い、中部天竜―天龍峡などの一部区間で運転を見合わせた。15日は飯田市と天龍村の5小中学校、阿南町の県立阿南高校が休校を決めた。

 被害は、降りはじめからの総雨量が230ミリを超えた飯田市の遠山郷や天龍村をはじめとする南部地区に集中した。

 15日午前8時現在のまとめでは、上村、南信濃地区で計41件の土砂流出や崩落が発生。天龍村では同正午までに、村道13本、林道4本の各所で被害が確認されている。

 【遠山郷】

 国・県道への土砂流出により、上村の下栗、上町の両地区で129世帯304人が孤立。南信濃でも834世帯1849人が孤立した。

 南信濃では小道木地区で濁流が道路や人家を覆う被害が発生。上島や木沢などでも土砂崩落があり、5件の民家で家屋の被害が発生した。

 幹線道の国道152号線も含め、道路の各所で土砂崩落が相次ぎ、一時、移動不能状態に陥った。

 南信濃地区は振興センター内に対策部を設置。被害状況の把握と、孤立地区の解消を急いでいる。

 観光や仕事で訪れていた人は、足止めされて地区内の温泉施設などに宿泊。高校生も地域を離れていた人は帰宅できず、飯田市の中心地に戻って宿泊した人も多かった。

 例年のように発生する豪雨災害に、住民たちは肩を落とす。冷静に対応しながらも、一人は「これほど被害が大きいのは10年に1度だ」と話した。

 【天龍村】

 雨量が225ミリに達した天龍村でも、各地で崩落が発生した。幹線道や村道が通行不能となり、中井侍や鶯巣、上平の30世帯70人が孤立。97世帯で停電が発生した。

 村は同日午後5時に緊急対策本部を設置。情報収集と被害が発生した家庭に消防団を派遣し、土のうによる被害拡大防止を要請した。

 平岡岡本地区や栄町地区では、道路に土砂や樹木が流出し、崩落の拡大を懸念した住民ら7世帯15人が、老人福祉センターに自主避難した。岡本地区では1件の家屋被害も発生している。

 村は15日午前に村内全域の調査を行い、村道を覆った土砂の除去を要請。同日正午までに各世帯の孤立を解消した。正午までに停電世帯も減っている。

 【泰阜村】

 林道万古川線で崩落があり通行止めに。15日正午までに除去作業が行われ通行が可能になった。このほか林道で2カ所が決壊したほか、田本や温田、我科など村南部を中心に村道と林道7カ所で崩落が起きた。

 【阿南町】

 林道早稲田木曽畑線で崩落があり通行止め。町道1路線で路肩決壊の危険があり通行止め。孤立集落や避難勧告などはなかった。そのほか、崩落個所などの被害を調査中。

 【売木村】

 大きな被害はなし。村で被害状況を調査中。

 【下條村】

 大きな被害はなし。災害に至らない程度の小規模な崩落などがあり、村で被害状況を調査中。

 

 

  

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