飯田市は市が管理する公園施設の長寿命化計画(2013―22年度)を策定した。全35公園のうち、まずは31公園の遊具や設備の健全度や緊急度を判定。優先順位に沿って修繕や撤去、更新などを進める。遊具については、本年度は6公園で予定する。
市土木課によると、老朽化している公園施設について、計画的な予防修繕を取り入れることで長寿命化を図り、安全性の確保と将来的なコストの削減、平準化につなげる狙い。国土交通省の指針に基づき、市の独自基準も取り入れ策定した。5年ごとに見直す。
供用開始が最も古い公園は1967(昭和42)年で、「30年以上」が58%を占める。10年後はその割合が90%、20年後は96%となり、大半が老朽化の時期を迎えるため、今後に施設の修繕や撤去、更新に多額の費用が必要となる。
長寿命化計画は、予防保全型の管理を重視し、できるだけ健全なうちに適切な対策を施すことで延命化を図るもの。同課は計画の実施効果として「60年後の累計予算は実施しない場合と比べて約1億円縮減できる」と見込む。
対策の緊急度は劣化状況のレベル(健全度判定)などを踏まえ▽低▽中▽高―の3段階で判定した。8月の策定時点で「高」は、遊具施設が全体の18%に当たる24点、ベンチやフェンス、水飲み場など一般施設は3%に当たる14点となっている。
本年度に、遊具や運動器具の対策を進めるのは6公園。腐食や劣化の他、現在の基準では不備と見なされる「形状不適合」も対象のため、比較的、設置から年月が浅い公園も含まれる。更新が必要な場合も現有の遊具と同じにするとは限らず、公園ごと利用状況や住民要望なども踏まえて、配置計画の詳細を詰める。市の本年度一般会計当初予算には関連事業費として約2700万円を計上している。
本年度に遊具や運動器具の対策を施す公園は▽城東3号▽明▽育良▽北方▽滝ノ沢▽矢高中央―の6園で、主な遊具はブランコや滑り台、アスレチックなどとなっている。計画の内容や対象一覧表は市のホームページで見られる。