飯田線9駅を無人化へ

社会

[ 2012年 11月 3日 土曜日 9時20分 ]

 JR東海は2日までに、関連会社に管理を委託している飯田線の飯伊9駅について、来年4月1日以降無人化する方針を地元自治体に伝えた。飯田下伊那地域では松川町の伊那大島、高森町の市田、飯田市の元善光寺、鼎の4駅が対象。リニア中央新幹線の開業を見据え、飯田線の重要性を再確認する動きがある中、地元では懸念も広がっている。

 無人化が打診された飯伊の自治体は飯田市、松川、高森町の1市2町。現在、関連会社の東海交通事業が受託している切符販売業務について、来年4月1日から委託しない方針を伝えるとともに、自治体に乗車券類の販売業務を委託して無人化を回避する簡易委託販売契約の締結について打診した。

 JR東海によると、飯伊4駅のほか、飯島町の飯島、駒ケ根市の駒ケ根、伊那市の沢渡、伊那北、箕輪町の伊那松島駅についても営業体制の変更について打診している。

 29日に説明を受けた高森町は、1日に町議会全員協議会でJR東海の方針を説明した。熊谷元尋町長は「決定事項のように伝えられた。リニア中央新幹線を見据え、飯田線の重要性が高まっている。南信州広域連合全体として対応を考える必要がある」と話した。

 飯田市には2日午前に伝えられた。牧野光朗市長は「地域住民、利用者への影響に考慮し、関係する町村と今後の対応について協議したい」とし、JR東海に対しては「飯田線の重要性についてさらなる理解を求める」とした。

 説明を受けた自治体によると、JR東海はリニア開業後も飯田線を存続させる考えを強調したという。

 無人化の背景には飯田線の恒常的な赤字経営があると見られる。JR東海広報部によると、今回対象になった駅の一つ、市田駅の場合は現在の乗車人員が1日平均389人で、民営化初年度の1989年に比べて51%に減少している。

 飯伊の飯田線駅は計30駅。国鉄の民営化前後から無人化が進められ、駅員が常駐している駅は現在、南から天竜峡、鼎、飯田、元善光寺、市田、伊那大島駅の6駅となっている。

 ことし4月には天龍村の平岡駅が無人化しており、この際、村は簡易委託販売契約を断り、独自の定期券購入支援金を創設している。

 無人化となれば飯伊の有人駅は、同社が直轄管理している飯田と天竜峡の2駅のみとなる。

  

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