官民協同で飯田下伊那地域への自然エネルギーの普及を目指す「南信州自然エネルギー0円システム研究会」の設立総会が20日、飯田市追手町の県飯田消費生活センターで開かれた。全県組織の自然エネルギー信州ネットの地域協議会にあたり、初期投資0円で太陽光発電システムの普及を進める「おひさま進歩エネルギー」(原亮弘社長)の事業をモデルに活動していく。
同社は市民などからの出資を基に、個人宅に無料で太陽光発電を設置する「おひさま0円システム」を展開。各家庭はパネルの規模に応じて月々、定額を同社に支払うが「設置に向けた一番のネック」(原社長)となる初期投資がかからない。
研究会では、飯伊全域への「おひさま0円システム」の普及拡大を目指すとともに、小水力やバイオマスなど太陽光以外の自然エネルギーでも同様のシステムが活用できないかを模索。想定される課題を整理し、解決策などを提言する。
設立総会には飯伊の市町村や自然エネルギーの関連企業、県下伊那地方事務所、0円システムで太陽光パネルを設置した住民など20人余が出席。事業計画や規約などを承認した。
会長に選出された原社長は「エネルギーの地産地消を具現化したい。地域特性を生かした自然エネルギーのあり方を考え、地元の金融機関や業者などを交えて資金調達の仕組みなども考えたい」と話した。今後は2カ月に1回ほどのペースで会合を開く予定という。
総会に続いて、京都大学大学院経済学研究科の諸富徹教授が「地産地消・分権型の自然エネルギーによる地域活性化」と題して講演。ドイツのフライブルク市や飯田市の事例を交えて、ボトムアップ型の持続可能な地域発展に期待を込めた。
研究会と連携して、環境や自然エネルギー関連の情報を交わし、学びも深める「南信州自然エネルギー普及協議会」(仮称)を2月15日に設立する方針も伝えられた。