TPP大筋合意で飯伊の農業生産者は

社会

[ 2015年 10月 7日 水曜日 9時14分 ]

 米国アトランタで行われていたTPP(環太平洋経済連携協定)交渉で5日、参加12カ国が大筋合意に達した。参加国間の貿易を自由化し、関税撤廃や投資などの規制緩和で輸出の競争力を高め、海外進出などの事業展開を後押しする。一方、コメの輸入枠新設や牛肉・豚肉の関税大幅引き下げなどにより、農業に深刻な打撃を与える。

 TPP交渉の大筋合意の報道を受け、関税の撤廃や引き下げで大きな打撃が予想される飯田下伊那地域の農業生産者からは、戸惑いや怒り、あきらめの声が上がった。

 聖域としてきたコメの輸入枠新設や牛肉・豚肉の関税大幅引き下げなどを含む内容。国や与党自民党が聖域としてきたコメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物の重要5品目の自由化を含む内容に、「裏切られた」とする声も聞かれた。

 飯田市内で酪農を営む男性(68)は、乳製品の関税引き下げや無関税で輸入する枠の拡大について「海外から安価な乳製品が流入することで、北海道の大規模農家の飲料乳への移行が加速する可能性が大きい。そうなれば、乳価が下がり、本州の小規模酪農農家は壊滅してしまう」と見る。「1、2年は頑張って続けるつもりだが、努力する価値がないので営農をやめるつもりだ」と話した。

 肉牛を育てる同市上郷の70代男性は「国益の名のもと、国に農業は見捨てられた」と批判。38%の関税が9%程度まで段階的に減らされることについて「いくら努力しても追いつかない。国には実質的な価格保障を求めるしかない」と話した。

 同市山本で養豚業を営む男性(45)は「聖域とされた5品目が守られず、裏切られた気持ち。中山間地は飼料やコストも高く、安価な肉が入れば太刀打ちできない」と指摘。発効されたらどう対応するのかについて、同業者と話し合いを重ねてきたことも明かしたが、「答えが見つかっていない」とした。

  

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