「手づくりハンガーを世界のアスリートへ届けよう!」と、天龍村天龍中学校の生徒らが村産材を使って製作を続けてきたハンガーの完成本数が22日、目標の2020本に達した。この日の製作会には、中学生や村民有志をはじめ、2018年にハンガープロジェクトを立ち上げた当時の2年生5人らも参加。目標達成の瞬間を喜び合った。
東京五輪・パラリンピックの関連施設に村の木材が使用されることを知った5人は、「自分たちにも村の木材を広くPRするため何かできないか」と検討を開始。五輪にちなみ、世界中のアスリートに手作りハンガーを贈ることを思いつき、開催年の「2020」を目標に掲げた。
5人の卒業後も在校生や村民らが思いを受け継ぎ、製作を継続。合わせて寄贈も進め、この日までに1437本を、レスリング、陸上、バレー、野球、車椅子バスケなど、さまざまな競技のアスリートに届けている。3月には、塩尻出身の柔道選手出口クリスタさんら、計138本の寄贈が計画されている。
この日は、2000本から製作をスタート。中学生や村民らが紙やすりでハンガーを磨き、プロジェクト立ち上げメンバーがメッセージの刻印とナンバリングを手掛け、完成させていった。2020本目は、参加者全員でカウントダウン。「2020」の文字が刻み込まれると、会場には大きな歓声と拍手が響いた。
立ち上げメンバーの1人で飯田OIDE長姫高校1年の橋本虎汰郎さん(16)は、「始めた当初は本当に2020本もできるのかと半信半疑だったが、村の皆さんや後輩たちの協力により達成できてとてもうれしい。皆に感謝したい」と笑顔。現在のプロジェクトリーダーを務める2年生の橘礼人さん(14)は「皆の努力がすごかったと思う。プロジェクトを通じて、さまざまなアスリートの皆さんと会うことができ、素晴らしい体験ができた」と喜んだ。
◎写真説明:刻印とナンバーを刻む立ち上げメンバー