国内の外国人陸上長距離選手の中でもトップを争うケニア出身のジェームス・ギタヒ・ルンガル選手(24)=が23日、陸上合宿で売木村入りした。けがのためジョギング程度の軽めな調整になるが、2020年東京五輪への出場を目指し、大自然のコースでリフレッシュを図る。
ルンガル選手は、同村職員でウルトラマラソンランナーの重見高好さん(34)がかつて所属した「中央発條」(本社・名古屋市)に所属。山田実監督と重見さんが知り合いだった縁で今回の合宿が実現した。4月下旬に右足を手術したためリハビリを兼ねた合宿で、31日まで村に滞在する。
この日は役場や教育委員会にあいさつした後、重見さんらがルンガル選手のために考えたオフロード3コースを下見。川沿いのあぜ道などを活用した自然豊かなコース設定に、ルンガル選手も「故郷の実家を思い出させるコース。環境も良い」と笑顔。ケニアでは空気の薄い標高2400メートルの高地で練習していたといい、標高1000メートルほどの同村では「スピードを出した練習もできそう」と感触を確かめた。
ルンガル選手は1人で滞在するが、英語が話せるドイツ人の地域おこし協力隊が通訳に当たる。
昨年アフリカクロカンで優勝するなどビッグレースで結果を残し、1万メートルの自己ベストは日本記録よりも7秒ほど速い27分22秒。「私は東京五輪に出場しなければならない」と意気込みを語った。
この日同行した中央発條の河南(かんなん)耕二コーチ(35)は「トラックのあるグラウンド建設も計画中と聞き、環境がそろえば陸上競技部の合宿も検討したい」と話した。重見さんは「国際ランナーを受け入れる合宿地として、広く情報発信していければ」と述べた。