飯田市で開く南信州ステージをはじめ全国8カ所を巡る自転車ロードレースの国際大会「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」の組織委員会は25日、5月17日から開催予定だった第23回大会を中止すると発表した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、「大会の開催は感染拡大につながりかねない」と判断した。
組織委は同日、会見をインターネット配信して経緯を説明。中止を決定付けた理由として、地域や全国から多くの観客を集めることが感染拡大リスクになる点と、日本政府が欧州各国など計38カ国からの入国制限を強化した点を挙げた。
TOJの中止は東日本大震災の影響を受けた2011年以来。
第23回大会は個人トライアルとなる5月17日の堺ステージ(大阪府)を皮切りに、京都、いなべ(三重県)、美濃(岐阜県)、南信州、富士スピードウェイ(静岡)、富士山(同)、東京の各ステージを8日間で転戦する予定だった。
南信州ステージは、これまでと同じ同市下久堅の山岳ルート(1周12・2キロ)を10周するコースで実施するとしていた。
同ステージ実行委員会事務局によると、先週には「中止を検討している」との話が伝わっており、24日に正式に中止が決定されたという。熊谷秀男事務局長は「世界的に感染拡大している状況だけに仕方がないが、とても残念だ」と話していた。