高校野球の飯伊地区秋季交流戦が27日、飯田市三日市場の県営飯田球場などで開幕し、来年度の統合で最後の大会となる飯田長姫と飯田工が対戦した。長姫側のスタンドはOB会の呼び掛けで多くの野球部OBらが集まり、熱戦を見守った。
長姫は1930(昭和5)年に創部し、35年に夏の選手権大会に出場。54年の選抜大会で優勝を果たした。長い歴史に幕を閉じる戦いを前に、長姫高校野球部OB会は応援を呼び掛けた。
横断幕を掲げた長姫側の応援スタンドは試合が動くたび盛り上がり、好プレーが出ると「いいぞ」「ナイスプレー」の声が上がった。
駆けつけた選抜優勝ナインらは「寂しい思いはあるけど選手たちの頑張りを見届けたい」、「伝統校が勝つ姿を見たい」。それぞれ伝統校の名が刻まれたユニホーム姿を胸に焼き付けていた。
豊丘村神稲の女性は、同校野球部出身でプロ野球阪神タイガースで活躍した夫の遺影を持って来場。「ことし3月に他界したが、生きていれば応援に来たはず。天国で見守っていると思います」と語り、はつらつプレーに目を細めた。
OB会長(69)は「長姫の伝統は統合しても受け継がれていくと思う。それを信じてこれからも応援したい」と話した。
来年度の統合によって校名とともにチーム名も変わる。