飯田市総合運動場(松尾明)の改修工事が完了し、市は5日、記念式典を現地で開いた。関係者ら約80人が集まり、テープカットを行うなどして祝った。また指定管理者の市体育協会はリニューアルにあわせて記念イベント「市民交流スポーツ祭」を企画。青々と生えそろった芝生の上で、親子連れらが北欧生まれのニュースポーツ「クッブ」を体験した。
改修は地方大会で公式記録として認定される「第2種陸上競技場」の公認更新に向けたもので、市は7月10日から2カ月ほどかけて走路1周400メートル(8レーン)のウレタン舗装をし直した。
赤茶色のトラックに引かれるレーン幅はルール改正に伴い1・25メートルから1・22メートルに変更した。またフィールド部分は拡幅工事を実施し、総工費は約1億5700万円。芝生グラウンドについては、市体育協会や競技団体、地域の協力で張り替え作業を行い、あわせてお披露目となった。
担当課によると、市総合運動場は1976(昭和51)年に造成され、翌年に日本陸上競技連盟の第4種公認競技場として整備。78年のやまびこ国体ではラグビー競技の主会場になった。その後、89年に本部棟と1500人収容のメインスタンドができた。94年には全天候型のウレタン舗装に改修し、第2種公認競技場に。西側に収容スタンドを設け、収容人数は5000人となった。
今回の改修は94年以来の大規模なものとなった。この日の式典であいさつに立った牧野光朗市長は、有力選手の育成の場になることを願い「地域の皆さんにも楽しく利用してもらえる施設に」と期待を寄せた。利用する競技団体を代表し、飯伊陸協の熊谷賢二会長は「国際大会に輩出できる選手をさらに育成できれば」と述べた。
運動場が開放され、飯田風越高校陸上部の生徒(17)は「だいぶ変わった」と感触を確かめていた。
クッブの体験会でゲームの楽しみ方を教わった参加者は早速、芝の運動場で実践。狙いを定めて丸棒を投げ、狙い通り当たって「コーン」と小気味のいい音が響き、クッブが倒れるたび歓声を上げていた。
クッブはスウェーデン発祥の的当てゲームで、1チーム6人で行う団体戦。簡易コートのうち自陣にクッブ(角材)を並べ、先攻、後攻を決めた後、手持ちのカストピンナ(丸棒)を投げて相手陣営のクッブを倒す。相手のクッブを全て倒した後、両陣営の中間に立てた角材のキングを倒したチームが勝利となる。
◎写真説明:テープカットで完成を祝う関係者