グリムスパンキーニュース 2021.10.17.

グリムスパンキー

[ 2021年 10月 24日 日曜日 18時07分 ]

全国7都市へ行くツアー開始目前! 配信カバー「情熱」選曲を振り返る

【取材・文 仲井勇司】

 10月22日、飯田下伊那地域出身のGLIM SPANKY(グリムスパンキー=松尾レミ&亀本寛貴)がいよいよ2年ぶりの全国ライブツアーを開始します。コロナ禍が収束傾向にある中で札幌を皮切りに東京、大阪、横浜、福岡、名古屋と回り、12月4日の最終公演を松本市のキッセイ文化ホール(中ホール)で締めくくります。

 前回のツアーでは30公演を行ったのに対し、今回は7公演のみ。「ツアーをやれるだけで本当にうれしい」と二人が口をそろえる一方、一部のファンから「うちの県には来てくれないの?」と残念がるメッセージも受け取っているそう。「今できる限りを詰め込んだのがこの7カ所。魂を込めるしかない」(松尾さん)と、ひたむきな思いでツアー演奏の準備を進めています。
 なお、公演は各自治体ごとに定められたガイドラインをもとに感染対策を徹底して開催されるとのこと。松本会場には収容上限の746席に近い688席が準備されます。

1996年に発売されたUA「情熱」のCDジャケット。中央で二つ折りとなる“8センチCD”仕様だった

 コロナ禍の「波」を避けながら行う久々のツアー。見どころ・聞きどころの一つとして、9月末に配信限定でリリース(発売)したカバー(名曲の再演)楽曲「情熱」が初披露されることが挙げられます。

 「情熱」は、女性歌手UA(ウーア)が1996年に歌ったR&B(アールアンドビー)風味のヒット曲。日本語ポップスでありながら強くはねた16ビートのリズムが印象的で、発売当時UAさんの個性とともに大きな注目を集めました。
 グリムスパンキーが自身のオリジナルではない楽曲を、1曲のみの“シングル”の形で発売するのは今回が初めてのこと。なぜカバー作品を発表したのでしょうか。

 「カバー作品をリリースするアイデアはレコード会社から出ました。僕自身にも、カバーをやるなら子どものころに聞いて以来ずっとかっこいいと思っていたUAさんの『情熱』をやりたいという気持ちがありました」

 亀本さんはそう振り返り、音楽的な狙いも付け加えます。

 「この曲の個性は、いまの音楽ファンにも必ず受け入れられるだろうと感じています。ここ5年ほどの間、日本の音楽シーンではグリムと同世代のバンドである「Suchmos(サチモス)」がまずブレイクし、そこに「Оfficial髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)」「King Gnu(キングヌー)」や、藤井風(かぜ)くんらのヒットが続いている。彼らに共通するのはブラックミュージックやR&Bの感覚をふんだんに採り入れた音楽性ですが、それは『情熱』という曲の特徴にも通じる部分です。いまカバーするなら絶対『情熱』だと思ってトライしました」

GLIM SPANKYによる「情熱」の配信用ジャケット画像

 ブラックミュージック特有のグルーブ感(うねりのあるリズム)に親しみやすい歌のメロディーが乗った「R&B」は米国などのポピュラー音楽シーンの主流にあり、日本でも90年代以降すっかり定着しました。いま、グリムスパンキーもR&Bの領域へ音楽表現の幅を広げようとしています。

 「僕らがデビューした2014年前後のころは速いテンポの直線的なノリのロックが大流行していて、僕ら自身もそういうオリジナル曲を演奏することで評価されてきました。ただ、フェスなどで支持される音楽の主流は近年、明らかに変わってきたように思う。今回のカバーは、グリムスパンキーがR&B寄りのリズムにもアプローチしていく意志を示しています」(亀本さん)
 ボーカルの松尾さんも自身の新たなテーマを発見したようです。

 「『情熱』を歌ってみて、今までの私は16ビートのリズムにあまり意識がいっていなかったと気付きました。今回のカバーでそこを変える入り口に立った。ブラックミュージック、ルーツミュージックにも改めて挑戦していこうという気持ちです」

全国ツアー実施は2019年7月以来(写真=上飯坂一)

 R&Bのレパートリーも増やしながら、R&Bを好むリスナー層にも自分たちをを知ってもらう。コロナ禍というトンネルを抜けて向かう各地のツアー会場には、グリムスパンキーを初めて聞きに来る新しいファンもきっと待っていることでしょう。

【毎月第3日曜日掲載】

  

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