飯田市吾妻町の若者たちが、町内の市民プール西側にある市有地の整備に励んでいる。かつて同じ場所にあったビオトープをよみがえらせ、生き物を気軽に観察できるオアシスにしたい考えだ。
ビオトープ復活計画を進めているのは、吾妻製麺(同町)の北林佳祐さん(25)と会社員で木下クリーニング店(同)長男の木下光太さん(24)。市の許可を得て、週1回のペースで雑木や竹、雑草の伐採に汗を流している。
市有地は中央公園の一部にあたり、以前あったビオトープは地元有志グループが造成した。当時はヘイケボタルの観察会が開かれるなど、地域の憩いの場として親しまれていた。
製麺修業を終えて今年6月にUターンした北林さんは、思い入れのある場所が荒地になっている現状を残念に思い「とりあえずきれいにしよう」と、幼馴染みの木下さんとともに7月21日から整備を開始。水生生物に詳しい友人にも声を掛け、ビオトープ復活計画を練り始めた。
10日には市職員が現地確認を行い、谷川から取水した水を公園内に再び流す方法などについて3人と検討した。今後の整備はある程度時間をかけ、段階的に進めるという。
北林さんは「昔みたいなビオトープにして、人が集まれる場所になれば」と話している。
◎写真説明:伐採作業に励む北林さん(左)と木下さん