「家に帰ったような気分」ヤンさんとN響の仲間

文化・芸能

[ 2011年 7月 2日 土曜日 13時00分 ]

 オーケストラと友に音楽祭“アンサンブルシリーズ”「アフィニス・アンサンブル・セレクション(AES)~ウェン=シン・ヤンとN響の仲間たち~」が30日夜、飯田市吾妻町の市公民館で開かれた。2008年まで開催された「アフィニス夏の音楽祭」で講師を務めたヤンさんが、NHK交響楽団の3人のチェリストとともに、再び飯田の地で演奏を披露。会場を訪れた観客450人を魅了した。

 ヤンさんは1965年スイス生まれ。24歳にしてバイエルン放送交響楽団の首席チェロ奏者になる。91年、ジュネーブ国際音楽コンクールで優勝。その後マゼール、サヴァリッシュ、ヤンソンス等の世界的指揮者と共演する。また2004年からミュンヘン音楽大学教授を務める。

 日本では05年、佐渡裕指揮/スーパー・ワールド・オーケストラ、08年外山雄三指揮/NHK交響楽団と共演したほか、初のリサイタル・ツアーを実施。09年には東響との共演のほか、N響のチェリスト3名とチェロ・カルテットとしてリサイタルを行う。06年からは飯田市でのアフィニス夏の音楽祭の講師として度々招かれている。

 この日はヤンさんと、N響の藤森亮一さん、岩井雅音さん、宮坂拡志さんが出演。チェロカルテットにより、アンコールを含め全9曲が披露された。

 ビバルディの合奏協奏曲によって華やかに幕を開けると、憂愁に満ちたメルカダンテの「詩」、激しく繊細な技巧が繰り広げられるロッシーニの「涙」、軽快で陽気なハーモニーのオペラ曲「セビリアの理髪師」が続く。

 ハイドンの「チェロ協奏曲ハ長調」の次は、J.シュトラウス2世「美しき青きドナウ」。穏やかで雄大な川の流れを、優雅で軽やかに表現。華麗な旋律で幕を閉じると、会場からは大きな拍手が起こった。

 鳴り止まない拍手に応え、ヤンさんらはアンコールを3曲演奏。いずれも第一次世界大戦終結後の1920年代、ドイツで流行した歌だという。「当時ドイツは敗戦直後の厳しい環境だったが、歌には何とか生き残ろうという気概がある。今の日本とも重なる」とヤンさん。

 今回の飯田での演奏について「家に帰ったような気分。聴衆のみなさんも温かく、音楽に集中してくださっていた。アフィニスで20年培ってきた歴史が、いい音楽の経験として蓄積されていると感じた。また飯田で演奏したい」と話していた。

  

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