喬木村阿島地区に江戸時代から伝わる和傘「阿島傘」が、8月に三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで開催される国内最大規模のオートバイ耐久レース「鈴鹿8耐」で使用される。大会に向け2本の傘を制作した村地域おこし協力隊の水谷槙さん(39)は「和傘とバイクという異色のコラボを楽しんでもらいながら、全国の人に阿島傘を知ってもらえたら」と期待する。
同レースなどへの参戦を通じ、長野県のPRに取り組むバイクレースチーム「信州活性プロジェクトTeam長野」からの依頼を受けて制作。5月からデザインの打ち合わせを行うなど制作を進め、今週頭に完成した。
1本は、同チームのバイクの車体カラーに合わせ、青、金(黄色)、白の3色を使ったデザイン。もう1本は伝統的な白の番傘でチーム名に加えて「喬木村」の文字を入れた。
紙は飯田市下久堅の「ひさかた和紙」を用いた。また、チームからの要望を受け、柄の長さを一般的なものよりも20センチほど長くした。
27日、大会に向けて傘を受け取りに村役場を訪れた、チームスタッフの田中周平さん(29)=飯田市鼎=は、傘を開き「かっこいい」と笑顔。「他のチームは洋傘なので、間違いなく目を引くと思う。近くに住んでいながら今回の企画まで阿島傘を知らなかった。レースとともにPRも頑張ってきたい」と話した。
傘はスタート前の開会式でドライバーに差し掛けられる他、前日イベントでも使用されるという。
◎写真説明:水谷さん(右)が制作した阿島傘