天龍村の村指定無形民俗文化財「満島神社の秋祭り」が9、10の両日、平岡地区一帯で行われた。掛け太鼓や囃子の音、威勢の良い掛け声を響かせる青年衆を先頭に、雌雄一対の獅子による神楽舞、槍を投げ合う壮年団、祇園囃子を奏でる熟年衆と、老若男女が華やかな行列をつくり地区内を練り歩いた。
山の上の満島神社に祭られる御神体が年に一度里に下り、住民らがつくる行列とともに地区内を練り歩き、五穀豊穣、家内安全、無病息災を願う祭り。起源は1573(天正元)年といわれる。
9日の宵宮祭では満島神社「原の森」を行列が出発し、3キロ余り離れた前宮「南の森」へと向い、10日の本宮祭で南の森から原の森へと戻った。今年は新型コロナウイルス感染予防の観点から、行列が練り歩く時間を短縮し小中学生の参加を見合わせるなど、例年よりも簡素化して行った。
例年であれば行列の先頭を務める「旗持ち」の子どもらの姿はなかったが、青年衆らは重さ約5キロの太鼓を上下左右に振ってたたきながら、一糸乱れぬ動きを披露。行列の最後を飾る熟年衆も、負けじと声を張り上げながら祇園囃子を打ち鳴らし、沿道の観衆の拍手を誘った。
祭りを終え氏子総代会長の板倉武良さんは「コロナ禍のお祭りを無事に終えることができほっとしている。子どもたちの参加を見合わせたことで、あらためて祭りには子どもたちの力が欠かせないと感じた。来年は子どもたちも参加でき、沿道にも多くの人に来ていだけるにぎやかな祭りになれば」と話した。
◎写真説明:勇壮に太鼓を鳴らし歩く青年衆