阿南町新野に伝わる国重要無形民俗文化財「新野の雪祭り」が13日から15日朝にかけ、伊豆神社と諏訪神社で行われた。新型コロナウイルスの影響で観覧者を新野地区の住民に限定しながらも3年ぶりに開催。「幸法(さいほう)」「茂登喜(もどき)」「競馬(きょうまん)」などの神々が繰り広げる「広庭の祭事」は15日未明から繰り広げられ、観衆を魅了した。
雪を豊年の吉兆とみて、田畑の実りを願う祭り。13日朝、伊豆神社に収められている面形を諏訪神社に運ぶみこし渡御「お下り」から始まった。
同神社で面形に魂を入れる「面形化粧」、試舞等を経て14日夕、伊豆神社にみこし還御の「お上り」行列が到着して祭り本番。15日朝にかけ、田楽、舞楽、神楽、田遊びなどが夜通し繰り広げられた。
保存会の勝野喜代始会長によると、今年は雪祭りの日程が土日に重なったためか、地区出身の20~30代の若者が例年よりも多く参加した。「ようやく開催できたことにほっとしている。住民も久しぶりの雪祭りを喜んでくれていた」と振り返り、「来年も若者が多く参加して開催ができれば」と話していた。
◎写真説明:「幸法」で剣を抜く場面