阿智村昼神温泉郷で4日夜、「昼神の御湯(おんゆ)」を締めくくる「御焚(おた)き上げ」があった。約200人の宿泊客や住民が集まり、花火とともに幻想的に燃え盛る湯屋守様を見守った。
昼神の御湯は今年で16回目。霜月祭りを終えた神々が春まで昼神温泉郷で湯治をするとし、神様が来ている間は魔除けとして湯屋守様を温泉郷に飾る。昨年12月3日に降神祭と分湯式があり、以降3カ月間、わらで作られた湯屋守様が各旅館に飾られた。
今回は3年ぶりに通常開催ができ、例年通り3月の第1土曜日に開いた。
昇神の儀式の後、周囲の明かりが消え、氏子総代長らが13基の湯屋守様にたいまつで点火。湯屋守様は大きな炎を上げて燃え盛り、観客たちがスマートフォンで幻想的な風景を撮影していた。花火も打ち上げられ、会場から歓声が起こった。
今年は御焚き上げで残った灰を顔などに塗る「御墨付け」も実施。家族やグループで灰を塗り合い、無病息災を願った。
湯屋守様が飾られてから毎月昼神を訪れ、13基全て見て回ったという名古屋市からの来場者(71)は「どんど焼きとは違う厳粛な雰囲気だった」と話していた。
◎写真説明:大きな炎を上げて燃える湯屋守様