来年4月9日の式年御柱大祭に向け、飯田市上郷の飯沼諏訪神社氏子総代会(篠田順総代長)は6日、用材を伐採する「本伐祭(ほんぎりさい)」を同地区黒田の野底山で行った。関係者ら約70人が入山。モミの巨木2本を倒し、木遣り歌を山中に響かせた。
昨年11月に氏子総代らが見立てた木はモリアオガエルの繁殖地近くにあり、いずれも推定樹齢は150年で幹周りは2メートルほど。神事に続いて伐採班が「二之柱」から伐採に取り掛かった。
根元からチェーンソーを入れていくと、木は音を立てて倒れ、木遣り班が上に乗って「奥山の大木が里へ下りて神となる ヨーイサー」と歌い上げた。
新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、御柱祭の実行委員会は規模の縮小を決めている。本来、大祭のクライマックスには300段の石段を約400人が豪快に曳き上げるが、密になることから取りやめる。11、12日の2日間で重機を使って境内の仮安置所まで運び、当日は境内で曳行し御柱を建立する。
篠田総代長は「規模を縮小せざるを得ないのは残念だが、安心安全を確保するためでありご理解をいただきたい」と関係者らに呼び掛け、「地域の繁栄と安寧、コロナの終息を願い、無事建立したい」と力を込めた。
◎写真説明:倒した木の上で木遣り歌を披露