飯田市下久堅の知久平地区で27日、「知久平諏訪神社式年御柱大祭」の建御柱が同神社であった。2本の御柱を無事に建立。境内に成功を祝う木遣り歌が響き渡り、集まった多くの住民から大きな拍手が送られた。
午前8時に氏子衆ら約70人が集まり、神事を執り行った後、御柱の建立を開始。境内に安置されていたスギの御柱2本をそれぞれ40尺(12.12メートル)に切り、先端を削り、ひさかた和紙で作った大幣束を取り付けた。
御柱はクレーンを使って建立。ワイヤーで持ち上げ、縦にして旧御柱が立っていた神社の脇まで運んだ。一之御柱には平岩一彦祭典委員長が根元に諏訪大社上社から拝戴した薙鎌を打ちつけた。根元に十字に棒を差し込んで安定させ、御柱が真っすぐ立つよう調整して土を盛っていった。
午前11時過ぎに2本の御柱を無事に建立。法被を着た親子ら地区住民約100人が建立を見守った。木遣り衆が「おめでたい、ヨイサー」と喜びの木遣り歌を披露すると大きな拍手が沸き起こり、境内は一体感に包まれた。
27日夜に水神橋下流堤防で奉納煙火を行い、28日に境内で薙鎌奉還を執り行った。
平岩祭典委員長(68)は「天気に恵まれ、皆さんの協力のおかげで盛大にできた。大勢の人に集まってもらい、ありがたいの一言に尽きる」と感謝し、「祭りは地域を一つにまとめてくれる。御柱は素晴らしい祭りだと思う」と感慨深げに語った。
◎写真説明:2本の御柱を建立後、木遣り歌を披露する木遣り衆