2022年春の御柱祭に向け、和田諏訪神社(飯田市南信濃)の御柱用材の伐採が19日、和田押出地区の私有林で行われた。曳き建てる御柱用材はモミの木1本。幹回り最大2・7メートル、樹高20メートル前後の巨木を慎重に切り倒して喜びを分かち合った。
氏子総代会長の近藤知典さん(62)によると、和田諏訪神社ではスギの木を御柱用材に充てることが多いが、今回はスギと比べ水分が抜け難いモミとあって、乾燥期間を確保する関係で伐採を4カ月ほど前倒しした。
この日の斧入れ式は、所有する玉置洋一さん(70)の山林で行われた。神事後の作業ではチェーンソーを使って切り口を広げ、地響きを立てながら山の斜面に横たわると、周囲から拍手が上がった。
献木する玉置さんは、御柱用材を正式に決める2015年11月の「木定め式」などを振り返った上で「4月の本番に向けて第一歩を踏み出すことができた」と話した。
式は新型コロナウイルス感染防止の対策を徹底し、参加人数を神職や氏子の代表者らに絞って実施した。
御柱祭は数えで7年に一度行われ、和田諏訪神社の式年大祭御柱祭は24回目となる。24回目は来年4月3日に予定し、2月20日に柱を曳くための縄ない式、3月12日に山出し式を計画。山出し後は遠山中学校前に安置され、里曳きは神社までの約3キロ間で行われる。
◎写真説明:御柱用材の伐採作業