夏のいいだ人形劇フェスタの機運を高めるための特別公演が12日、飯田市高羽町の飯田文化会館で開かれ、市内外から629人が来場した。東京都武蔵野市を拠点とする「劇団影法師」が出演。影絵劇やワークショップを通し、人形劇の魅力を伝えた。
4年ぶりの通常開催を計画する8月のフェスタに向け、盛り上げようと初企画。前半は、中国の伝統的な技法「皮影戯(ピーインシー)」を用いた影絵劇「ゲゲゲの鬼太郎」を上演した。
主人公の少年ユウトが骨董店に持ち込んだ古い鏡に吸い込まれ、鬼太郎たちと協力しながら元の世界に戻ろうと奮闘するストーリー。来場者たちは、牛の革でできた人形の鮮やかな色彩や登場人物の自在な動きに見入った。
後半のワークショップでは、劇中の効果音について学んだ。貝殻でカエルの鳴き声を表現したり、木片をたたいて下駄の音に似せたり。代表者がステージに上がり、団員に教わりながら体験する場面もあった。
松尾小学校4年の児童(10)は「人形が牛の革でできていると知って驚いた。身近な物で効果音が鳴らせることが分かったので家でもやってみたい」と話していた。
フェスタでは例年、約300劇団が飯田下伊那地域の140会場で公演している。今年は「みんなの笑顔まっとるに」をテーマに、8月3~6日に計画。コロナ禍前の規模による通常開催を目指している。
◎写真説明:来場者も体験したワークショップ