7年に1度の御開帳が行われている飯田市座光寺の元善光寺で1日、前立本尊をたたえる儀式「中日大法要」が営まれた。新型コロナウイルスや悪天候の影響で一部の儀式を縮小したものの、県内外から多くの参拝客が訪れ、境内はにぎわった。
JR元善光寺駅付近から境内までを練り歩く稚児行列はコロナ対策で中止。本尊と「善の綱」で結ばれた回向柱の周りで行う「庭儀式」も降雨のため取りやめ、本堂で法要を行った。
午前11時ごろ、本多秀道住職(47)ら伊那谷の天台宗の僧侶7人が石段を上って本堂へ。厳かな雰囲気の中、本尊をたたえるお経を読み上げた。「仏がこの世に現れたとき、天からたくさんの花びらが舞った」という故事にちなみ、ハスの花びらをかたどった色紙をまく「散華」もあり、集まった参拝客らはお守り代わりに持ち帰った。
名古屋市から家族と訪れた男性(78)は「回向柱の周りで見ることができなかったのは残念だが、お参りできてよかった」と色紙を手に笑顔だった。
同寺によると、この日は約1500人が参拝。本多住職は「雨にも関わらず多くの方に参拝・参列していただくことができれうれしく思う」と話していた。
御開帳は6月29日まで。最終日は「結願(けちがん)大法要」で締めくくる。
◎写真説明:1日は県内外から多くの人が参拝に訪れた