飯田市座光寺の元善光寺は6月29日、御開帳の終わりを告げる「結願(けちがん)大法要」を営んだ。前立本尊が安置された厨子の扉が閉められ、数え年で7年に1度の盛儀を締めくくった。同寺によると、4月3日からの88日間で、県内外から20万人以上の「善男善女」が参拝に訪れた。
今回は新型コロナの影響で1年遅れて開催。密集回避のため従来より期間を延ばして実施した。期間中、参拝客は前立本尊の一光三尊阿弥陀如来像に手を合わせたり、前立本尊と「善の綱」で結ばれた回向柱に手を触れたりしてご利益を願った。
結願大法要は感染対策のため、規模を縮小。本多秀道住職(48)と法類の僧侶の4人が営んだ。回向柱を囲んでお経を読み上げ、魂抜きの儀式を執り行った。ハスの花びらをかたどった色紙をまく「散華」もあり、参拝客はお守り代わりに持ち帰った。
本堂では厳かな雰囲気の中、「般若心経」を唱えて本尊をたたえた。一連の法要が終了すると、前立本尊が安置された厨子の扉がゆっくりと閉じられ、参拝客らは静かに手を合わせた。
初日の法要にも訪れたという同市座光寺の男性(76)は「地元だから昔から毎回来ている。7年後も来られるように元気でいたい」と話していた。
本多住職は「コロナ禍で心配もあったが、無事終えられてよかった。思った以上に大勢の方が参拝に訪れてくれた。多くの人が本尊と縁を結べたのでは」と、住職となって初めての御開帳を振り返った。
◎写真説明:最終日の結願大法要