秘仏となっている善光寺(長野市)の本尊がかつて安置されていた飯田市座光寺の元善光寺で御開帳が3日から始まる。1日には本堂前の回向柱を新調。満開のサクラとともに参拝客を迎える。
新型コロナウイルスの影響で善光寺が昨年春から1年延期したことに合わせた開幕で、参拝客らの密を回避するため、期間は6月29日までの88日間となっている。
初日は午前9時から前立本尊が安置された厨子を開く「開扉大法要」が執り行われる。5月1日に「中日大法要」、6月29日の最終日に「結願大法要」がある。
関係者によると、同時御開帳は1997年に始まり、2015年は26寺院が行った。約60日の期間中に40万人ほどが来場。回向柱に触れたり、前立本尊の一光三尊阿弥陀如来像に手を合わせたりする参拝客の姿が多く見られた。最もにぎわったのは中日大法要だったという。
回向柱は秘仏の本尊と同じ形をした前立本尊右手の金糸と「善の綱」で結ばれ、柱に触れることで本尊と縁が結ばれるとされる。
麻績の里(座光寺)は、本多善光が難波の堀から一光三尊の阿弥陀如来を迎えた地。長野に本尊を移した際、麻績の里には木彫りの御尊像が残され、「毎月半ば十五日間は必ずこの麻績の古里に帰り来て…」という誓願を残したといういわれから「善光寺だけでは片参り」とされる。
◎写真説明:新調された回向柱