飯田お練りまつりの開幕を翌日に控えた24日、代表的な出し物の東野大獅子が「7年の眠り」から覚めて地元慣らしをした。式年大祭を開いている大宮諏訪神社の膝元の東野地区を巡り、同神社に奉納。宇天王の導きで体長25メートルの巨大な獅子が暴れ、祭りの到来を告げた。
起こしの儀式「大門口の舞」は飯田市宮ノ上の太子堂で午前7時半過ぎに始まり、観衆の輪の中で祭囃子に合わせて宇天王が舞を繰り広げた。
手綱を引いて眠りから目覚めさせると、「そりやっ」の掛け声。拍手を受けながら、重さ30キロの獅子頭が上下左右に暴れた。
舞に先駆け、約250人の保存会員が同堂で出発式を開いた。道中舞を歌い、宇天王、獅子頭、笛太鼓の三位一体の舞で魅了すると誓った。
獅子頭は重量があるため、30人編成の4班に分け、数十秒ごとに交代しながら舞う。コロナ禍の制限を受けながら工夫して練習を重ね、本番でも感染症対策を徹底している。
保存会の菅沼敬一会長は「コロナ禍だが、しっかり仕上がっている。多くのファンの皆さんが待っていてくれている。4日間にわたり、勇ましい姿を見せたい」と話していた。
東野大獅子は原則、飯田お練りまつりを唯一の舞台としており、6年ぶりの演舞となる。「7年に1度」のお練り独特の言い回しから休眠期間を「7年の眠り」と呼んでいる。25日は午前8時に錦町のシルクホテルから演技を開始し、東野や橋北地区を中心に巡る。
◎写真説明:宇天王に起こされた大獅子