節分の3日、飯田下伊那地域でも各地の寺社などで節分行事が行われた。家内安全や商売繁盛、無病息災、学業成就、交通安全などを祈願する多くの参拝者でにぎわい、祈祷や豆まきで平穏な1年となることを願った。
飯田市滝の沢の権現山白山社(近藤政彰宮司)では「神仏習合」の節分祈祷祭が開かれた。鬼を退治する豆まきもあり、怖がる子どもの姿も見られた。
約100年続く伝統行事で、宮司と僧侶がそれぞれ祈祷することで知られる。祈祷は午前と午後で計3回執り行い、午前11時から始まった1回目には23人が参列した。
僧侶が婚嫁殿(社務所)にまつられる十一面観世音菩薩の前で読経を行った後、本殿で宮司が祈祷し、参列者全員の名前を読み上げた。
「追儺(ついな)の儀」では、神官たちが桃の木で作った弓とアシの矢で拝殿の四方を射ると、参列者は鬼に豆をぶつけ退治した。
滝の沢の女性(39)は1歳の娘と参加。娘が鬼におびえる様子に「去年より怖がっている。いい子に育ってくれたら」と笑っていた。
同市座光寺の元善光寺(本多秀道住職)では節分護摩祈祷があった。3年連続で恒例の豆まきは中止としたものの、本堂での護摩祈祷を2年ぶりに執り行い、厄除けや家内安全を祈願する参拝者でにぎわった。
今年は事前予約や人数制限を行わず、午前10時から計5回にわたって実施。昨年は本堂改修のため客殿で通常の祈祷を行った。
2回目の正午の部には27人が参加。本多住職は本堂で護摩木をたき、一人一人の名前を読み上げたり、経を唱えたりして祈祷した。
宮ノ上から訪れた男性(88)は「息子が病気なので回復を願った」と話した。
◎写真説明:鬼におびえる子ども(権現山白山社)