飯田下伊那地域の夏祭りの幕開けを告げる冨士山稲荷神社(市原貴美雄宮司)の例大祭が7日、飯田市浜井町の同神社で行われた。3年ぶりに夜店が並んだ神社周辺には多くの人が訪れ、700発の花火が夜空を彩った。
多くの夜店が軒を連ねた参道周辺は早い時間帯から若者や家族連れでにぎわい、訪れた人たちは口々に「ねやねやだな」(混んでいる様を表す飯田弁)と話し、花火を鑑賞したり、願いごとを書いた短冊を神社に飾った。
喬木村から家族と訪れた浜井町出身の小澤智洋さん(48)は「久々に間近で花火が見られてよかった」、禰宜(ねぎ)の市原日貴(ひたか)さん(39)は「人出も多く、楽しく笑顔で参拝していただき、無事に終わってよかった」と話していた。
冨士山稲荷例大祭の宵祭りは、古くは収穫期を迎えた麦わらを持ち寄って松明(たいまつ)を作り、煙で疫病害虫除けをしたことから「むぎわら祭り」とも呼ばれ、近年はたいまつの代わりに煙火を使い、悪疫退散や無病息災、五穀豊穣を祈っている。
◎写真説明:神社の上空を彩るスターマイン