南信州新聞社と実行委員会が主催する「第20回下伊那の書展」が27日、飯田市小伝馬町の県飯田創造館で開幕した。流派を超え、全国から寄せられた195点を展示。29日には岐阜女子大学の中根海童教授を講師に迎え、同市東和町のムトスぷらざ多目的ホールで20周年記念講演会を開く。ともに入場無料。
書の表現と鑑賞を通じて書の文化を発展させるとともに、愛好者のすそ野を広げることを狙いに2003(平成15)年から毎年開いている。飯田市教育委員会が後援。趣旨に賛同する高校生以上なら誰でも出品できるルールで、プロ・アマチュアを問わず五十音順で展示している。
出品数は前回を23点上回る。飯田下伊那の他、県内各地、関東や関西、東海地方などからも寄せられた。10~90代と年齢層は幅広く、趣味で取り組む愛好者から指導者、プロの書家まで多彩。古典の漢詩や和歌、俳句、偉人の名言、詩歌などさまざまな言葉を題材に漢字やかな、篆刻、刻字などバラエティー豊かな力作を寄せた。
古典の軸からダンボールに詩を書く自由な作品まで表現の幅も広い。初回から出品している同市上郷飯沼の小町谷和安さん(82)は「自由に書いた作品が受け入れられるのが魅力。多様性があり、励みにもなる」と語った。
実行委の齋藤清(龍川)運営委員長(70)は「年を追うごとに技術を上げ、新規出品者が新しい風を吹かせてくれている。さまざまな作品を楽しめる機会。多くの方に足を運んでいただければ」と呼び掛けている。31日までで午前9時~午後5時(最終日は同3時まで)。
中根教授迎え29日に講演会
記念講演会は29日午後1~3時に、ムトスぷらざ2階の多目的ホールで開かれる。中根海童教授が「現代書」について講演する。
申し込みは不要で定員100人。主催者は入り口での検温、手指消毒、マスクの着用などコロナ対策の徹底を求めている。
◎写真説明:開幕した下伊那の書展