飯田市の本町三丁目大名行列保存会(福澤勝保存会長)は1日夜、飯田市街地で3月25~27日に開く飯田お練りまつりに向けて全体練習を始めた。新人と指導者が町内の駐車場に集まり、雪の振る中で基本動作と歩き方、発声方法を学んだ。
当初は60人以上が参加する文字通りの全体練習を計画していたが、県内全域への「まん延防止等重点措置」の適用に伴い、初日は対象を新人に限定した。
2時間の予定を1時間に短縮し、練習前の体温測定と自前の健康チェックシート記入を義務付けたほか、練習終了後も含めて飲食は一切しないなど、コロナ禍の特別ルールを適用している。
練習の冒頭、福澤会長は新人に「観る人を引き付けるだけの力を付け、令和10年に開く次回のお練りまつりにも参加してほしい」と期待を語った。
新人たちは指導者の身のこなしや足の運び方、「エーヨヤサトーナー」(『この良い技を見よ』の意味)などの掛け声を見聞きしながら、厳しい寒さの中で練習に励んだ。
保存会員に勧められ「飯田での思い出づくりに」と仲間に加わった東京海上日動長野支店南信支社飯田オフィス所長の千田重勝さん(52)=岩手県奥州市出身=は「掛け声を聞いてとても神聖なものを感じた。実際にやってみると手足の動きなどが想像していた以上に難しい。相当練習しないと…」と話していた。
終了後には、役者の先頭に立つ「化粧傘」を今回から演じる遠山東太郎さん(49)の掛け声と動きを録画し、全会員に通信アプリの「ライン」で送信。遠山さんならではの声のトーン、動きのリズムをつかみ、自宅でのイメージトレーニングに生かすよう呼び掛けた。
今後の練習は会場を2つに分けて行い、当面は基本動作、続いて道具を使った練習に励み、3月から仕上げに入る。雨天と大雪の日は中止とする。
◎写真説明:厳しい寒さの中、練習に励む役者たち(本町で)