来年3月25~27日の飯田お練りまつりに向け、飯田市の本町三丁目大名行列保存会(福澤勝保存会長)は1日夜、役者全体会議を橋南公民館で開き、役者編成を発表した。一部の役は今月から練習を始め、2月1日から全体の練習をスタートさせる。
来賓として招いた佐藤健市長と原勉飯田お練りまつり奉賛会長を含む約50人が集まり、配役と今後の日程を確認。大名行列の顔として役者の先頭に立つ「化粧傘」は町内在住の会社員、遠山東太郎(とうたろう)さん(49)が務める。
3回演じた宮下勝吉副会長(60)に代わって大役を受けた遠山さんは「熱い要請を受け、恐れ多いが引き受けた。プレッシャーと不安はあるが、やらせてもらう以上は精いっぱいよい演技をし、全員で成功させたい」と抱負を語った。
役者44人中、本町3丁目在住者は遠山さん1人で、新人は15人。伝統の出し物は、3丁目にゆかりのある人や大名行列を演じたい人々によって受け継がれている。
福澤さんは「一番目立つ化粧傘は町内在住の遠山さんが演じるべき。役を全うし、無事に最後まで演じてほしい」、指導に専念する宮下さんは「(遠山さんは)仲間が多く、しっかりしているから心配していない。人が代われば演技や雰囲気は当然変わる。自分なりの化粧傘を徐々につくり上げてほしい」と期待している。
福澤さんの誘いで参加した羽場権現在住の新人、海部(かいべ)岳裕さん(40)=神奈川県川崎市出身=は「勤め先が本町にあり、母親が(大名行列で知られる)兵庫県姫路市出身という縁もあって誘っていただいた。70カ所での演技は想像していた以上に厳しそう。毎日の体力づくりと健康管理に励みたい」と話した。
この日は役割別の顔合わせを行い、東京奠都(てんと)50年記念祭に合わせた1919(大正8)年の東京遠征時の写真もスライドで鑑賞した。草履を投げる「草履」と傘を回す「傘持ち」は、今月から練習を始める。
◎写真説明:仲間と打ち合わせをする遠山さん(左)と宮下さん(中央)