飯田下伊那地域の民俗芸能58団体による「伊那谷民俗芸能団体連絡協議会」は25日、総会を飯田市竜丘公民館で開いた。講演や羽場獅子舞保存会の上演もあり、地域個性としての民俗芸能の意義を再確認し、継承へ意気を高めた。
冒頭、高田正男会長(黒田人形保存会)は「この地域は全国的に見ても伝統芸能の宝庫。伝承は我々だけのためでなく住民のために必要。多くの住民に関わってもらうことで地域の未来が明るく、生活も楽しくなる」と呼び掛けた。
役員改選では、南信州民俗芸能継承推進協議会の会長でもある平松三武氏(和合念仏踊り保存会)を会長に、針間道夫氏(遠山霜月祭保存会)と小川文雄氏(大島山瑠璃寺獅子舞保存会)の2人を副会長に選出した。任期は2年。
講演では、元市美博学芸員の櫻井弘人さんが、民俗芸能の記録保存について語った。伊那谷の民俗芸能は、霜月神楽や風流踊り(和合念仏踊り、新野の盆踊り)などの「中世的な神事芸能」と人形浄瑠璃や歌舞伎、煙火、獅子舞などの「近世以降の娯楽的芸能」が重層的に伝承されており「強烈な地域個性」として地域の文化を形成していると紹介した。
清内路煙火など資産化事業の取り組みを紹介し、民俗芸能の魅力を再確認し活用するために記録事業による資産化が必要だと訴えた。
同会は南信州民俗芸能継承推進協議会とともに南信州民俗芸能カレンダーを発行するほか、南信州獅子舞フェスティバルなどへの協力を行っている。
◎写真説明:伊那谷民俗芸能団体連絡協の総会