飯田下伊那地域の小中学校教職員による下伊那教育音楽研究会(熊谷三枝会長)の第42回発表演奏会が9日、飯田市高羽町の飯田文化会館で開かれた。5部構成で合唱や演奏などを披露。白血病のため小学6年で亡くなった、熊谷モモさんを題材にした創作オペレッタも上演した。
混声合唱やリコーダーアンサンブル、オーケストラ演奏などを披露。童謡唱歌や歌謡曲、ポップスなど、親しみのある楽曲を取り上げた。
創作部は、ダウン症児として生まれ、6歳で白血病を患って2015年に亡くなったモモさんを題材にしたオペレッタ「モモちゃんありがとう」を上演。モモさんが同市立松尾小2~5年生の時、校長だった北沢彰利さん(高森町下市田)が、脚本とテーマ曲の作詞を手掛けた。
舞台では、モモさんが入退院を繰り返して苦しい闘病生活を送りながら、家族や学校の友人との時間を楽しみ、周囲に感謝を伝え続けた様子を演じた。
最後に生前の写真を投影しながら「生まれてきてくれてありがとう」と、モモさんへの感謝を込めたテーマ曲を歌い上げ、誰もが大切な命であることを強調した。
観客は、我慢強く治療を続けながら、周囲の人々に明るく接するモモさんの姿にじっと見入り、カーテンコールで盛んに拍手を送っていた。上演後には、テーマ曲を作曲したエレノア・シーさんによる同曲の弾き語りも行われた。
同会は1951年「音楽同好会」として発足。音楽教育の発展と指導者の資質向上を目指して活動を続け、77年に合唱、リコーダー、創作の3部の発表演奏会を始めた。
現在はオーケストラと電子オルガンを加えた計5部で研修を実施。2008年、下伊那教育会の公益法人化に伴い現在の名称に変更した。
◎写真説明:下伊那教育音楽研究会の発表演奏会