全校で受け継ぐ大鹿歌舞伎

文化・芸能

[ 2020年 9月 8日 火曜日 15時27分 ]

 国重要無形民俗文化財の大鹿歌舞伎の秋公演(10月18日予定)の中止が決まった大鹿村で、大鹿中学校の全校生徒16人が、文化祭での公演に向けて練習に励んでいる。

 中学校文化祭での歌舞伎公演は、前身の一つ鹿塩中学校時代から続けている伝統行事。今年は「神霊矢口渡 八郎物語段」に挑戦する。3、2年生を中心に役を演じ、残りの生徒も黒衣などで舞台に上がる。

 新型コロナウイルスの影響で春に続き、鹿塩の市場神社で予定していた大鹿歌舞伎保存会の秋公演も中止が決まった。

 一方で同校は「教育活動の一環でもある。1学期から取り組んできた成果を形にしたい」と文化祭に合わせた公演を決定。一般公開はせず、来場者を生徒の保護者と直近の卒業生に限定することにした。

 生徒は総合的な学習「大鹿タイム」を活用し、大鹿歌舞伎の伝承に努める北村尚幸さんをはじめ、大鹿歌舞伎愛好会の指導を受け、練習を重ねてきた。1学期からせりふを覚え、所作を確認。夏休み明けからは鹿塩地区館を会場に舞台練習を進めてきた。

 公演まで1カ月を切った7日の練習では、堂々としたせりふの言い回しや大きな所作を心掛けながら通し練習に取り組んだ。

 主役の南瀬六郎宗澄を演じる3年の女子生徒(15)は「今年の歌舞伎は中学生だけになってしまった。歌舞伎は村を元気にするもの。見てもらえる人は少ないけれど、皆を元気にできるよう頑張りたい」と意気込んだ。

 練習会場を訪れた歌舞伎愛好会の中村元夫会長(77)は「秋も歌舞伎がないのはさみしいが、万が一を考えると仕方がない。中学生だけでも公演してもらえてありがたい」と感謝。愛好会の笹木猛さん(82)は「子どもたちはせりふをしっかり覚えている。まだまだな点もあるが、公演までにさらに上達するだろう」と目を細めていた。

◎写真説明:歌舞伎を練習する大鹿中生徒

  

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