喬木村富田の南保育園の園児らが8日、地域の伝統行事「事(こと)念仏」と「事の神送り」を体験した。
事念仏は国選択無形民俗文化財「伊那谷のコト八日行事」の一つに数えられ、天竜川東岸などで受け継がれている。富田地区では毎年2月9日夜に催し、事念仏の翌日には、紙を結んだ笹竹に疫病神を乗せて家から追い払うという「事の神送り」がある。
この日、村文化財保護委員長の木下俊佐さん(79)を迎え事念仏の由来などを聞いた後、園児や喬木第二小の児童、地域のお年寄りらが参加して長さ12メートルの数珠を回した。「南無阿弥陀仏」と唱え、大きな玉が回ってくるとそれぞれ額に当てて願いを込めた。家族の人数分「馬」と書くなど、事の神送りに使うお札手作りにも挑戦した。
南保育園での体験会は3年目。木下さんは「子どもからお年寄りまでが伝統行事に触れる良い機会であり、続けてほしい」と話した。
◎写真説明:大数珠を回す園児ら