飯田市中村の上中村で18日、伝統の獅子舞や芸能保存会の太鼓が地区内各所で披露された。地区内4カ所の会場には地域住民などが見物に訪れ、囃子に合わせて優雅に舞う親子の獅子を見守った。
同地区では、津島神社の祭典に併せて祇園祭を開催してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため昨年に引き続き中止した。各保存会が受け継ぐ獅子舞や太鼓は昨年、神社での奉納の1回のみだった。今年は、子どもたちに見てもらい伝統芸能の継承につなげようと、地区内の巡行も実施した。
晴天の下、所望に応じて50軒ほどを巡った他、西部、北部、中部、東部の4カ所で獅子舞と芸能保存会の太鼓を披露した。
飯田市内には屋台獅子が多いが、同地区の獅子は神楽獅子。各会場では、大人の獅子と共に小学生による段ボールの子ども獅子も登場し、コロナ退散や商売繁盛、家内安全などを願って舞った。続いて芸能保存会が太鼓を披露し、祭りの雰囲気を感じさせる音色が地区内に響き渡った。
上中村自治会の西村駿介自治会長は「出店などがある祭は中止になってしまったが、地域の皆さんの要望を受け、獅子舞と太鼓を披露した。伝統芸能を絶やすことなく継承していきたい」と話した。
◎写真説明:地区内各所で舞った上中村獅子舞