大鹿村の国重要無形民俗文化財の大鹿歌舞伎が、公益財団法人サントリー文化財団(鳥井信吾理事長)=大阪市=の第42回サントリー地域文化賞を受賞した。
例年は受賞者が一堂に会し都内で贈呈式を開くが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各受賞者に出向いて贈呈した。大鹿村での授与式は25日村役場で開き、同財団の尾崎勝吉専務理事から大鹿歌舞伎保存会長の熊谷英俊村長に記念の楯と副賞300万円が贈られた。
尾崎専務理事は「村の宝として伝える仕組みをつくり、次世代が活躍しながら継承している」と大鹿歌舞伎を評価。「楽しみのためにやることが長く続く秘訣。若い世代を加えてますます発展してほしい」と祝った。
熊谷村長は「大変光栄なこと」と感謝。「感染症対策のため昨年は春秋の定期公演ができなかったが、5月の定期公演はケーブルテレビやウェブでの映像配信を取り入れて実現したい」と語った。
同賞は、地域文化の発展に貢献した個人や団体を顕彰する取り組みとして同財団の創設した1979年から続く。これまでに全国225件を表彰し、飯田下伊那ではいいだ人形劇フェスタ(1988年)と峠の国取り綱引き合戦(2014年)が受賞した。
今回は大鹿歌舞伎の他、三陸国際芸術祭(岩手県)人形浄瑠璃「猿八座」(新潟県新発田市)美濃歌舞伎博物館相生座(岐阜県瑞浪市)神楽の里づくり(広島県安芸高田市)が受賞。せとひとめぐり(愛知県瀬戸市)に特別賞が贈られた。
◎写真説明:大鹿歌舞伎にサントリー地域文化賞