飯田市松尾代田の下の宮諏訪神社氏子総代(平澤昭総代長)と代田区(平松正好区長)は23日、来年4月に行う御柱祭に向け、同区内の山林で神木の選定を行った。
同神社の御柱祭は、大木を切り出して地区内をひき回る一般的な祭りとは異なり、ヒノキの若木を神木とし、山から根ごと掘り出して地区内を巡行した後、神社境内に植樹する。
この日は高さ3メートル60センチほどの真っすぐに伸びた若木を選び、神事で一層の成長と移植の成功を祈願した後、「根回し」を行って来年に備えた。
平松区長(66)は「新型コロナウイルスの収束など地域の平穏や平和を、ご神木に乗せさせていただいた」と話し、平澤総代長(77)は「素晴らしいご神木があり良かった。他にはあまりない形で行う御柱祭。地域の伝統をつないでいくために、しっかりと挙行したい」と力を込めた。
同神社は建御名方神(たてみなかたのかみ)諏訪大明神を祭り、奈良時代の725(神亀2)年に諏訪下社より勧請したと伝わる。旧社は代田、城、毛賀の境の林の中に社殿があったが、緑ケ丘中学校建設のため1963(昭和38)年に代田山の現在地に遷宮した。
◎写真説明:神木を選定し神事を行う総代ら