春草没後100年記念し8件文化財に

文化・芸能

[ 2011年 7月 28日 木曜日 15時43分 ]

 飯田市教育委員会は27日に開いた臨時記者会見で、市美術博物館が所蔵する菱田春草の絵画6点と、春草会所蔵の「武具の図」、下伊那教育会所蔵「菱田春草書簡 菱田家宛」(69通)1式の計8件を、市有形文化財に指定することを発表した。

 7月の定例教育委員会で決定。市教委では「ことしは春草没後100年。郷土の偉人をあらためて顕彰し、作品等を市民の宝として後世に継承していきたい」としている。

 今回指定を受けた美博所蔵作品は「霊昭女」「鹿」「夕(ゆうべ)の森」「夜桜」「帰樵」「春秋」の6点。「霊昭女」と「鹿」は、共進会や互評会などの審査会に出品され上位賞を受賞。「夕の森」「夜桜」はアメリカ滞在中に制作しており、色彩の重要性を意識した技法に変わっていく転機になったとされている。「帰樵」「春秋」は朦朧体と、その後の装飾的傾向期における春草の画風を示す作品といわれる。

 学生時代に描かれた「武具の図」は、大和絵の筆法に西洋画の写実的要素を取り入れており、後の朦朧体につながる作品。春草の顕彰団体・春草会が購入し、現在は美博に寄託されている。

 春草関連書簡は、美術学校時代から没後の追悼展が行われた1912(明治45)年までの間に、春草と妻・千代が親族にあてたもの。下伊那教育会が過去に盛んに行った春草研究の過程で、親族から同会に託され、美博に寄託された。

 春草作品はこれまで、国重要文化財として「王昭君」「賢首菩薩」「落葉」「黒き猫」の4点、県宝として美博所蔵「菊慈童」、市文化財では春草会所蔵「白き猫」が指定されている。

 美博では絵画48点、書簡類約80点が所蔵されており、市教委では「今後調査研究を進め、画業上の明確な位置付けができたものを文化財として指定したい」としている。今回の指定で市指定文化財は96件、うち有形文化財は47件となった。

 「武具の図」「鹿」以外の市文化財指定資料は後日紹介する。

  

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