無病息災願い事の神送る

文化・芸能

[ 2020年 2月 11日 火曜日 13時28分 ]

 飯田市千代の芋平地区で8日、1年の無病息災を願う「事の神送り」が行われた。早朝から住民約30人がみこしや人形を集会所で制作。人形をみこしに納め、鉦(かね)と太鼓の音に合わせて練り歩いて上久堅地区へ神を送り出した。

 疫病の原因となる神様を集落の外に送り出す行事で、400年以上前から伝わるとされる。国の選択無形民俗文化財「伊那谷のコト八日行事」の一つで、千代地区では野池と芋平地区を出発地点に、龍江や上久堅地区を経由して喬木村境まで神様を送る。

 芋平の住民たちは早朝から集会所に集まり、旗やみこしなどを制作。8本の笹飾りには厄を乗せて送るとされる「馬」と書いた紙を、年間月数を表す12枚ずつくくりつけた。

 人形作りは松下澄男さん(76)と辻元孝博さん(62)が担当。わらで「オトコガミ」と「オンナガミ」の胴体と手足を作り、顔の描かれた和紙、髪、ふんどしなどを丁寧に装飾した。

 40年以上人形制作に携わる松下さんは「毎年できが違う。稲刈りをした際に、人形作りのためになるべく長いわらを取っておいている」と笑顔で話した。

 松下さんらに習い、人形作り4年目の辻元さんは「少し大きくすると持つのが難しい。今回は今まで以上によくできた」と出来栄えを見て喜んだ。

 完成した人形をみこしの内側に納め、一行は芋平を出発。鉦や太鼓を打ち鳴らし、上久堅地区との境へ向かって歩いた。境の上久堅蛇沼に到着した住民たちは、竹飾りやみこし、旗を置いて拝み、送った神様を連れてこないよう、振り返らずに帰路へ着いた。

 芋平地区の小組合長を務める櫻井登さん(81)は「天気がいい中で行うことができた。人数は少なくなったが、伝統を守り、若い人につないでいきたい」と話していた。

◎写真説明:上久堅地区との境まで神を送り練り歩く

  

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