飯田少年少女合唱団は5日、飯田市の上郷公民館で、団内発表会を開いた。新型コロナウイルスの影響で本年度初めての発表で、団員の保護者向けに開催。団員12人は皆で歌える喜びを感じながら、清らかな歌声で保護者を魅了した。
同団は1989(平成元)年に発足し、今年で32年目を迎える。現在は飯田下伊那地域の小中高生12人が所属している。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大で学校が休校になり、それに伴い同団も集まって練習することができなかった。練習が可能になっても参加人数を制限し、会場を広く使って一人一人離れて歌う練習が続いた。
県の合唱祭や伊那谷文化芸術祭など発表の機会がなくなり、団員募集の広報活動も難しい状況になっている。
団員たちは童謡から外国の民謡、クラシック、アニメ主題歌までの9曲を披露。中高生5人による発表もあり、イタリア歌曲「カーロ・ミオ・ベン」をイタリア語で歌い、いきものがかりの「YELL」では男子の低音と女子の高音が調和した歌声を披露した。団員たちの透き通るきれいな歌声に保護者は聞き入り、終了後は大きな拍手を送っていた。
団長の飯田女子高3年土居日向子さんは「すごく久しぶりの発表で、緊張して声を出そうと気がはやったが、それでも練習通りに歌えて良かった」と振り返り、「本年度で卒団なので皆で歌えたことがとても貴重で楽しかった」と語った。
指導者の庄司裕江さんは「リハーサルもなかったが声は出ており、曲も多彩だった。特殊な環境での練習だったが、音楽の基礎を教えられた」と話した。
◎写真説明:清らかな歌声を披露する飯田少年少女合唱団の団員(上郷公民館で)