地域や流派を超え、多彩な書が一堂に会する「第16回下伊那の書展」(南信州新聞社・同実行委員会主催)が25日、飯田市小伝馬町の県飯田創造館で開幕した。同館301号室と201号室、ふれあい創造ギャラリーに185点を展示している。市教育委員会と下伊那教育会、県高等学校書道教育研究会南信支部が後援。29日まで、入場無料。
書の表現と鑑賞を通じて書の文化、芸術を支え発展させるとともに、愛好者のすそ野を拡大することを目的に開催。出品資格を限定せず一人1点、選考は一切行っていない。
今回も飯田下伊那地域を中心に県内をはじめ関東、関西、北陸、東海地方など、全国各地から出品があった。
年齢層も10~90代と幅広く、趣味で取り組む愛好者から指導者、プロの書家まで、経験や流派、社中などにとらわれない多彩な書がそろった。
会場には、漢字やかな、篆刻、刻字などの力作が並ぶ。漢詩や和歌、近現代詩、一文字書のほか、自作の俳句や詩などを題材にしている。
古典にならって実直に制作した作品や、イメージを膨らませながら絵とともに書き上げたもの。故郷の風越山を意識しながら制作した、県外在住者の書もある。
プロ・アマチュア関係なく五十音順で展示しており、ことしは「や行」から始まっている。
初日の25日は、愛好者や出品者が続々と来場。「いい字だね」「どうやって書いたのかな」などと語り合いながら、一点一点を眺めていた。
5回目の出品となる下平和夫さん(70)=大門町=は、自身の人生語録を30枚のコースター一枚一枚に込めた作品を展示。絵を交えたり言葉を掛け合わせながら、しゃれっ気たっぷりに書いている。「世の中にないものを作って遊んでいる。この展覧会は変わった作品がいっぱいあるので面白い」と話していた。
開場は午前9時から午後5時(最終日は同3時)まで。展示作品は後日、南信州新聞紙上で順次紹介する。