第7回南信州短歌大会開く

文化・芸能

[ 2011年 6月 22日 水曜日 10時36分 ]

 南信州新聞社主催の「第7回南信州短歌大会」が19日、飯田市東栄町の飯田勤労者福祉センターで開かれた。飯田下伊那地域を中心に、愛好者ら約70人が出席。歌人の佐伯裕子さん(63)を講師に迎え、講演と投稿歌の講評を聴いた。

 本紙創刊50周年記念事業の一つとして、2004年から開催。短歌愛好者の研さんと地域における短歌文化の発展を目指している。ことしも、本紙「読者文芸」欄の短歌投稿者や本社主催の「南信州短歌教室」受講生らを中心に、県内外から98首が寄せられた。

 講師の佐伯さんは、1947年東京都杉並区生まれ。学習院大学文学部国文科を卒業し、日本経済史の大石慎三郎教授の助手となる。77年に雑誌「未来」に入会し、近藤芳美に師事。現在「未来」選者、北國新聞選者、学習院生涯学習センター講師、朝日カルチャーセンター講師、現代歌人協会員。

 投稿歌の講評に先立ち「歌を作るということ」をテーマに講演が行われた。佐伯さんにとっての短歌や、歌うことの意味などについて語った。

 父に反発し、暗い少女時代をすごしたという佐伯さん。結婚後、短歌を作るようになってから父の心情を理解するようになり、思い出の中の父について歌うようになった。

 「歌を作るのは空間・時空を超えること。過去のことが自然によみがえり、二重に生き直すことができる。自分の中に眠っていた風景がよみがえる」とし、時空を超えた作品の例として、近藤芳美の妻で歌人のとし子が、夫の死後に詠んだ短歌を紹介した。

 続いて全投稿歌の講評が行われた。はじめに「まじめで内容は静ひつ。ただ言葉が詰まり過ぎていた。何を省略すべきか考えて」と総評。次に一点ずつ取り上げながら、歌い手の捉え方の面白さや、言葉の選び方、歌の印象について感想を述べたり、助言を行った。

 東日本大震災を題材にしたものが多く、地震の惨状や放射能汚染、被災者への思い、政府への批判など、それぞれの視点から捉えられていた。「やむにやまれず作ったもの。歌わずにいられないという気持ちは大事」とし、「災害について歌っていく必要があるが、歌の優劣のまな板に載せられない」と話した。

 佐伯さんの選で、特選に3人、入選に10人が選ばれた。特選代表者が「選ばれるのは夢にも思わなかった。余生の励ましと勉強する力を与えてくださった。今後もよろしくお願いしたい」と、謝辞を伝えた。

  

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