南信州新聞社などが主催する地域寄席「おいでなんしょ寄席」の来場者を対象にした第11回「おいでなんしょ寄席ツアー」が24、25の両日行われ、18人が大阪の定席「天満天神繁昌亭」での落語鑑賞、落語家が軽妙にガイドを務める「なにわ探検クルーズ」などを楽しんだ。
繁昌亭にはサービス精神旺盛な上方の10人が出演し、「動物園」や「阿弥陀池」「初天神」「住吉駕籠」「宗論」などの古典・新作落語や手品、浪曲で魅了した。
トリは4代目桂春団治が務め、児童虐待にちなんだマクラから親子の絆を描いた人情話の「子は鎹(かすがい)」へ。おいでなんしょ寄席実行委員長の片桐啓さんは「素晴らしい語り口。久々にいい『子は鎹』が聴けた」と評価していた。
最新鋭の旅客船で水の都大阪を観光する「なにわ探険クルーズ」には、2015年度のNHK新人落語大賞でグランプリを受賞した桂米朝一門のホープ、桂佐ん吉さんが同行し、なぞかけや小話を織り交ぜながら今昔の名所と見どころを紹介。笑いの絶えない1時間半となった。
ツアーは本場の寄席で幅広い芸風に親しんでもらい、主催者と来場者の親睦を深めることなどを目的に毎年企画。以前はおいでなんしょ寄席を春秋の年2回開いていたことから、春席の代替イベントという意味合いもある。
来年は東京を訪ねる予定。詳細は次回のおいでなんしょ寄席の会場で告知する。
◎写真説明:落語家が陽気にガイドを務めた