遺作305点を町に寄贈 飛矢崎さんの作品展 阿南町出身の洋画家

文化・芸能

[ 2017年 10月 26日 木曜日 15時46分 ]

「レイテ突入」(1970年)(右)など飛矢崎さんの作品が並ぶ遺作展(阿南町民会館)

 阿南町出身の洋画家、飛矢崎眞守(ひやざきまもる)さん(1922~2012年)の遺作305点が同町に寄贈され、22日から町民会館で展示会が始まった。戦時中、重巡洋艦「愛宕」に乗船し、レイテ沖海戦の体験を基に描いた作品も含まれ、寄贈した孫で明治大兼任講師の雅也さん(43)=山梨県北杜市=は「戦争に翻弄されながらも描き続けた画業を一人でも多くの人に見てもらいたい」と話している。

 1922年に下伊那郡大下条村(現・阿南町)に生まれた飛矢崎さんは、幼いころから絵を描くことが好きで、県師範学校(現・信州大教育学部)では美術の研さんに励み、太平洋戦争での徴兵を挟みながら県内各地の学校で長く美術教育に関わった。

 43年海軍に徴兵され、愛宕に乗船してレイテ湾突入作戦に向かったものの、敵の魚雷攻撃を受けて沈没。海に放り出されたが味方の駆逐艦に救われて九死に一生を得た。戦後も県内の美術教育に関わりながら2000点余の作品を残し、2012年に89歳で永眠した。

 雅也さんは「他界から5年、ようやく遺作の整理がついた」と生誕の地への寄贈を決意。わずかしかない戦争体験の作品をはじめ、県内の自然や風景を描いた作品を寄贈し、同町の協力も得て11月12日までの期間で遺作展を開いている。

 「戦争体験を継承する一助になれば」と雅也さん。戦後、何気ない自宅の台所の風景を描いた「おかって」に代表される作品についても「飛矢崎の人生の絵を伝えるきっかけにしたい」と話している。

 遺作展は入場無料、開場は午前9時~午後5時まで。同町は今回の寄贈を受け、11月3日に開く町制施行60周年記念式典で功労・功績者の一人として飛矢崎さんを表彰する。

  

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